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卵巣の異常について
卵巣は卵子を産生し、排卵するだけの器官ではなく、女性ホルモンを分泌する役目も担っています。脳と卵巣が連動し、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)を分泌することで排卵や月経をコントロールしています。このように卵巣は女性にとって大切な器官なのです。
卵巣は左右で1つずつあるので、片方の摘出手術では排卵やホルモン分泌にはほぼ影響はありませんが、卵巣を2つとも摘出すると女性ホルモンの分泌がなくなるため、女性らしさを保つことが出来なくなります。この場合ホルモンの補充が必要になりますが、悪性疾患があるケースなどではホルモンの補充ができない可能性もあります。
閉経後は、卵巣内に貯蔵された卵子やホルモン分泌もなくなり、卵巣は機能しなくなります。
卵巣の病気は重症度によって治療法が変わり、経過観察が可能なケースもあれば、薬物療法や手術療法を行うこともあります。
正確に判断するためにも、女性特有の気になる症状や異変を感じたら、一度婦人科でご相談ください。
卵巣の病気
卵巣腫瘍
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卵巣のう腫
卵巣の中に脂肪や液体が溜まる腫瘍で、こぶしくらいの大きさや、さらに大きいものまで成長することがあり、卵巣のう腫の内容によって漿液性のう腫、粘液性のう腫、皮様性のう腫、チョコレートのう腫の4種類に分けられます。
卵巣嚢腫が小さいと無症状で気づかないことが多く、進行すると触れるほど大きくなったり、腹痛、腰痛、便秘、頻尿などの症状があらわれます。
卵巣腫瘍と同じで卵巣の根元がねじれる「茎捻転」になると激しい痛みを感じます。
充実性腫瘍や卵巣腫瘍と見分けるために画像診断、超音波検査、CT、MRI検査などで診断します。
治療では、原則として摘出を行いますが、卵巣のう腫の状態や患者さんの希望など、出来る限りの摘出方法で処置します。
卵巣がん
卵巣がんは、悪性の腫瘍で自覚症状がほぼなく、異変を感じた初診時には、すでに進行期3期以上で発見されることから早期診断が困難ながんです。
そのため、卵巣がんの死亡率は高く、死亡数は年間で約5000人を超えています。
また、卵巣がんには、「遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)」という遺伝が要因になり発症するものもあります。BRCA1、BRCA2という遺伝子に変異などが生じると、乳がんや卵巣がんのリスクが上昇することが判明しました。