風しんは感染力の強い病気で、発疹、発熱、リンパ節の腫れなどを起こします。通常、3日程度で治るため「3日ばしか」とも呼ばれますが、大人になってから感染すると長期化や重症化することもあります。特に妊娠初期の女性が感染するとお腹の中の赤ちゃんも感染し、先天性風しん症候群（白内障、心疾患、難聴など）の赤ちゃんが生まれてくる事があります。先天性風しん症候群の発生を予防するために、妊娠を希望する女性や、その配偶者、妊婦の配偶者を対象にワクチン接種費用助成を自治体が実施しています。詳しくは自治体HPをご参照ください。

風疹は「３日はしか」ともよばれる感染力の強いウイルス感染症です。

主な症状は、発熱、発疹、リンパ節腫脹などがみられますが、初期症状はただの風邪のような鼻水や咳、口の中の上壁に斑点が現れます。

その他には、耳介後部、後頭部、リンパ節の腫れ、まれに結膜充血、肝機能障害がみられるケースがあります。

特に気を付けていただきたいのが、胎児への影響が高い時期である「妊娠初期」に風疹にかかり、赤ちゃんが感染すると「先天性風疹症候群」を発症し、高い確率で心臓、眼や耳に影響を与える恐れがあります。

4週目までに感染した場合「50％以上」、5〜8週目までに感染した場合「35％」、9〜12週目までに感染した場合「15％」、13〜16週目までに感染した場合「8％」、１８週を過ぎると、先天性風疹症候群を発症する確率はほぼなくなるといわれています。

このため、避妊をしていない方で妊娠を希望される女性には、妊娠の有無を確認後に風疹麻疹ワクチンの接種をおすすめしています。

麻疹とは「はしか」とも呼ばれる感染力が非常に強いウイルス感染症です。日本では子供だけではなく大人にも流行しており、重症の合併症を引き起こすこともある危険なウイルスです。

主な症状は、発熱、全身に広がる発疹、強い倦怠感などを起こし、3日くらいで徐々に解熱していきます。完治するには７日から10日程かかります。

以前までは、過去に麻疹に罹ったことがある方は「自然に免疫を獲得するため感染しない」と考えられていましたが、近年では免疫が徐々に弱まっていくことがわかりました。

特に免疫力が低下しやすい時期である妊婦が麻疹に感染すると、重症化しやすくなるため流産や早産を引き起こしてしまいます。

妊娠中はワクチンを打つことが出来ませんので、未接種・未罹患の場合や妊娠前であれば抗体検査を行い、ワクチン接種を受けることを検討しましょう。

妊娠希望されている方には、風疹抗体価検査を行い、風疹への免疫力があるかチェックしております。

過去に感染した方や、風疹抗体がある方でも、免疫力が低下することで風疹に罹ってしまうことがありますので、妊娠中の感染リスクを抑えるためにも、ワクチンの接種を行いましょう。

※ワクチン接種後、２カ月間は避妊するようお願いしています。