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子宮がん・精密検査について
子宮頸がん検査は、子宮頸部から表面の細胞を採取して、その形態を顕微鏡で観察することで判定します。子宮頸部の細胞は炎症やホルモン状態などいろいろな影響を受けます。正常ではないと判定された細胞が観察された場合でも、検診では子宮頸部の表面からはがれた細胞を観察して組織を推定しているだけですので単なる目安にすぎません。実際には子宮頸部の組織を一部採取して顕微鏡で診断する必要があります。コルポスコープという拡大鏡を用いて、子宮頸部を十分観察します。病変が疑われる部位があれば、そこを狙って組織を一部採取し、顕微鏡で診断します。
また検診でASC-US(軽度病変疑い)と判定された場合には、細胞の変化は軽度ですがヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が疑われます。ヒトパピローマウイルス(HPV)感染は子宮頸がん発生の原因の一つであることがわかってきていますが、性交渉の経験がある女性の80%以上が50歳までに感染を経験するといわれているくらいごくありふれたウイルスです。HPVはがん化との関連から、低リスク型HPVと高リスク型HPVとに分けられます。将来がんの危険性がある高リスク型のHPVが感染しているかどうかを、子宮がん検診の時と同じように子宮頸部の細胞を採取して検査します。ASC-USと判定されても、高リスク型HPVでなければ、将来に癌化する確率が低いと考えられます。高リスク型HPVが陽性の場合は、コルポスコープのもとで病変が疑われる部位を狙った組織検査が必要です。
子宮頸がん検診で要精検と判定された場合のコルポスコープや組織検査、HPV検査は当院で行えます。また子宮頸がん検査や精密検査について不明な点、ヒトパピローマウイルス感染と聞いて不安になって説明を聞きたいなど、ございましたらお気軽にご相談ください。
HPV感染と子宮頸がんに至るまでの病理学的変化
日本産婦人科医会 がん対策委員会 平成25年11月 より子宮頸がん発生の原因の一つにヒトパピローマウイルス(HPV)感染が関係することがわかってきています。HPVはヒトでは皮膚に感染する型と粘膜に感染する型とで100種類以上の型が発見されています。HPVはごくありふれたウイルスで、性交渉の経験がある女性の80%以上が、50歳までに感染を経験するといわれています。 HPVはがん化との関連から、低リスク型HPVと高リスク型HPVとに分けられます。高リスク型HPVといっても感染したからといって必ずしもがんになるわけではありません。たとえHPVに感染してもほとんどが一過性の感染であり、免疫力により自然に消失します。