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更年期チェックについて
日本産科婦人科学会では、「更年期に現れる多種多様な症状の中で、器質的変化に起因しない症状を更年期症状と呼び、これらの中で日常生活に支障を来す病態を更年期障害とする」と定義しています。つまり更年期に表れる症状のうち、別の何らかの病気による症状でないものが更年期症状であり、そのうちの日常生活に差しさわりがあるものが更年期障害です。
更年期障害は「女性ホルモン(エストロゲン)の減少」という体の変化によって引き起こされます。エストロゲンは、脳の視床下部からの司令により卵巣から分泌されます。視床下部はさまざまなホルモンの分泌をコントロールするとともに、体温調節や呼吸、消化機能の調節、精神活動などを司る自律神経のコントロールセンターでもあります。卵巣の機能が加齢とともに衰えると、脳がいくら「ホルモンを出せ」と指令を出しても分泌されなくなります。さらに過剰な指令を出す結果、自律神経の働きにも異常をきたして異常な発汗、イライラ、めまいなどの症状があらわれると考えられます。
ただ、更年期の症状はエストロゲンの減少だけでなく、心理的な要因(仕事や家庭環境など)も複雑に関与するため、個人差が激しく、全身のあらゆる箇所にあらわれます。ストレスを感じやすい環境にいると、心身が不安定になり、症状も悪化しやすくなります。更年期は、子供の独立や親の介護、職場での立場や人間関係の変化など、生活が変わる時期と重なったり、自身の健康不安もいろいろ出てくる頃になります。エストロゲンレベルの低下に関連して、睡眠障害や気分の落ち込み、不安、いらいらなども増えて症状をより複雑にしますので、うつに陥ってしまうことも珍しくありません。
自分自身で更年期かどうかわからない場合、また日常生活が続けられないほどつらい症状が続く場合は、医療機関でご相談下さい。自分では更年期だと思っていても、背後に他の病気が隠れている場合もあります。
自分でチェックできる簡単な問診表がありますので、気になる方は一度チェックしてみてください。
簡易更年期指数(SMI)
症状 | 症状の程度 | ||||
---|---|---|---|---|---|
強 | 中 | 弱 | 無 | 点数 | |
① 顔がほてる | 10 | 6 | 3 | 0 | |
② 汗をかきやすい | 10 | 6 | 3 | 0 | |
③ 腰や手足が冷える | 14 | 9 | 5 | 0 | |
④ 息切れ、動悸がする | 12 | 8 | 4 | 0 | |
⑤ 寝つきが悪い、または眠りが浅い | 14 | 9 | 5 | 0 | |
⑥ 起こりやすく、すぐイライラする | 12 | 8 | 4 | 0 | |
⑦ くよくよしたり、憂うつになることがある | 7 | 5 | 3 | 0 | |
⑧ 頭痛、めまい、吐き気がよくある | 7 | 5 | 3 | 0 | |
⑨ 疲れやすい | 7 | 4 | 2 | 0 | |
⑩ 肩こり、腰痛、手足の痛みがある | 7 | 5 | 3 | 0 | |
合計点 |
点数の合計 | |
0~25 | 更年期を上手に過ごしています。今の生活態度を継続してください |
26~50 | 食事や運動に注意を払い、生活様式などにも無理をしないようにしましょう |
51~65 | 医師の診察を受け、生活指導、カウンセリング、薬物療法を受けた方がいいでしょう |
66~80 | 長期間の(半年以上)計画的な治療が必要でしょう |
81~100 | 各課の精密検査を受け、更年期症状である場合は専門家での長期的な対応が必要でしょう |
簡略更年期指数SMI・小山ら 1992
更年期症状に対する治療は、女性ホルモンの投与が非常に有効です。内服薬、テープ、ジェルなど症状などに応じて投与しています。また漢方薬も効果が期待できます。症状やお身体・体質などを考慮して、お身体にあった漢方薬を処方しています。人の胎盤から抽出した成分を含む医薬品であるプラセンタも更年期症状には非常に有効です。
更年期症状でお悩みの方は、ぜひ婦人科でご相談ください。