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子宮にやさしく、痛みの少ない人工妊娠中絶手術・流産手術
当院では、MVA(手動真空吸引)法による人工妊娠中絶手術・流産手術を行っています。子宮内に6-9㎜程度のカニューレ(プラスチック製で、しなやかであるため挿入時の痛みが少ない)を挿入し、子宮内容を吸引して取り出します。子宮内膜保護のため、鋭匙(スプーンのような器具)による子宮内の掻破は基本的に行っていません。従来の方法と比較して、手術時間が短く、手術時や術後の痛みが少なく、子宮への損傷が少ないことが期待されます。
日本では人工妊娠中絶手術で、従来からあるD&C(Dilatation & curettage、頚管拡張と鋭匙による掻破法)が行われていることが多いですが、世界保健機関(WHO)は、妊娠初期の外科的中絶に真空吸引法(Vacuum Aspiration、VA)を推奨しており、D&Cを 行っている場合は VA に切り替えるべきであると提言しています。
真空吸引法(VA)には、電動によるもの(EVA)と手動によるもの(MVA)があります。有効性はほぼ同等ですが、MVAの方がプラスチック製のしなやかな器具を使用するため子宮により愛護的であること、吸引組織の損傷が少ないこと、静かに処置できること、頚管拡張が軽度で済むなどのメリットがあります。
手術専用の部屋で手術を行っています。 術中は換気に配慮し、ディスポーザブル(使い捨て)の膣鏡とMVAキットを使用するなど、感染防止に努めています。
流産手術・人工妊娠中絶手術の手術方法の比較
手術方法 | メリット | デメリット |
MVA法(手動真空吸引法) | 子宮内膜損傷のリスクが少ない。頸管拡張は必要に応じて最小限ですむ。器具を使い回さないので、感染のリスクがない。 | 器具が使い捨てのためコストがかかる。MVA法に精通している術者が少ない。 |
EVA法(電動吸引法) | 子宮内膜損傷のリスクが少ない。器具を使い回すので、低コスト。 | 使用する吸引管が太いため、十分な頸管拡張が必要。吸引管の構造が複雑なため、洗浄・滅菌が十分に行き届かない可能性がある。 |
D&C法(掻把(そうは)法) | 器具を使い回すので、低コスト。 | 子宮内膜損傷のリスクがある。術中・術後の疼痛が強い。将来の妊娠に悪影響を与える可能性がある。 |
当院での流産手術・人工妊娠中絶手術の流れ(平日手術の場合)
手術日程を決定した日
診察・術前検査(血液検査・心電図検査など)
手術前日
22:00~
絶食(お水・お茶などは可)
手術当日
9:00~
絶飲(お水・お茶などもお控えください)
11:00もしくは11:30
来院。
子宮頸管を広げる処置を行います。
※子宮頸管拡張の処置は診察で必要と判断された方のみに行っています。
14:00頃
手術・処置専用のお部屋で手術いたします。
手術時間は5分程度です。
麻酔開始から覚醒まで10~15分程度です。
※麻酔と子宮にやさしい手技により痛みは感じません。
術後は2時間くらい回復室で休んでいただきます。
※まれに術後に生理痛のような痛みを感じることもありますが、時間とともに軽減します。
16:30~17:30頃
診察して異常がないことを確認してから帰宅いただきます。
※必ず付き添いの方と一緒に帰宅いただきます。
※自転車やお車の運転は危険ですのでお止めください。
※帰宅後は安静にお過ごしください。
手術翌日
診察、超音波検査術後の経過を確認します。
2週間後
診察、超音波検査遺残の有無を確認します。
卵巣機能が順調に回復しているかを確認します。